2012年5月13日日曜日

プロトロンビン時間(PT)・活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)・フィブリノゲン(Fib)


私は背中の痛みで目を覚ます
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止血機能に関係するプロトロンビン時間(PT)

人間が微細な怪我によって出血した場合に、その出血が自然に止まるまでの標準的な時間(出血時間)は『3分以内』とされており、『6分以上』の長い時間にわたって出血が止まらない場合には血小板数や止血機能に何らかの問題があると考えられます。出血時間の異常によって疑われる状態は、まず『血小板数の減少あるいは機能異常』が考えられますが、白血病による造血障害や自己免疫疾患の全身性エリテマトーデスなどの疾患によっても出血時間が長くなってきます。薬物投与による副作用で血小板の機能障害が起こってくる場合もありますが、血小板数が減少する病気としては血小板無力症や血小板減少性紫斑病などが考えられます。毛細血管からの小さな出血が長引いて止まらない場合には、ビタミンC の不足で発症する壊血病の可能性があります。先天性疾患としては、フォン・ビルブランド病や遺伝性出血性毛細血管拡張症などがありますが、これらは極めて稀な疾患です。


人格障害に関する情報

血液が凝固する時間を調べる検査には、『出血時間』以外にも肝臓機能によって止血時間が変わってくる『プロトロンビン時間(PT)』があります。プロトロンビンというのは、肝臓で産生される血液凝固因子のことです。患者の血漿に、組織トロンボプラスチンと塩化カルシウム混合液(カルシウムイオン)を加えて、プロトロンビンが作られる時間(血液の凝固時間)を測定することで、肝機能の障害や異常を発見することができます。プロトロンビン時間は、外因系・共通系の凝固機序を判定するスクリーニング検査として用いられており、正常な基準値は『約10〜12秒』とされています。

プロトロンビンの産生(血液凝固)に15秒以上がかかると、何らかの肝機能障害(急性肝炎・肝硬変)の可能性が考えられますが、心不全やビタミンK欠乏症のような血液凝固の障害によってもプロトロンビン時間は長くなります。また、脳梗塞や心臓疾患、高血圧の治療薬である抗凝固剤(ワーファリン)を服用している患者は、ビタミンKの合成を阻害するのでプロトロンビン時間が長くなりやすい。


アレルギー"のどの痛み"

活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)

血液凝固機能が障害されて血が止まらなくなる『血友病』のスクリーニング検査として行われるのが、『活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)』の検査です。トロンボプラスチンというのは、血小板や白血球に含まれる血液凝固因子の一種であり、血友病は男子だけに発症する家族因性の遺伝疾患です。血友病の場合には先天的に血液凝固の第8因子と第9因子が欠損しているので、部分トロンボプラスチンが機能しなくなり血液が固まるまでに長い時間がかかってしまいます。活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の検査では、患者の血漿に、部分トロンボプラスチン試薬と塩化カルシウム混合液を加えて血液が固まるまでの時間を測定します。

活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の基準値は『約20〜40秒』であり、それ以上に長い時間がかかる場合には、血友病などの原因となる血液凝固因子の欠損や異常が考えられます。活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の時間が延長される原因には、血液凝固因子の異常以外にも、血液凝固因子を生産する肝機能の障害(肝炎・肝硬変)が考えられ、ビタミンK欠乏症や骨髄腫などによっても血液が固まるまでの時間は長くなります。


フィブリノゲン(Fib)

フィブリノゲン(Fib)は血液凝固機能に重要な役割を果たす『凝固第1因子』であり、怪我で出血した際には血栓になって傷口を塞ぎ素早く出血を止める働きをします。フィブリノゲンは肝臓で作られる糖タンパクであり『線維素』とも呼ばれますが、凝固第2因子のトロンビンによってゲル化して、フィブリンと呼ばれる凝固因子になります。 フィブリノゲンの基準値は『200-400mg/dl』であり、この数値より高すぎても低すぎても深刻な問題が発生してきます。

60mg/dl以下でフィブリノゲンが少なすぎると出血傾向が顕著となり、先天性無フィブリノゲン血症や異常フィブリノゲン血症、肝硬変、播種性血管内凝固症候群などの可能性が出てきます。700mg/dl以上になってフィブリノゲンが多くなりすぎると血栓ができやすくなり、脳梗塞、心筋梗塞、がん、糖尿病などのリスクファクターになってきます。フィブリノゲンがゲル化した凝固因子である『フィブリン』は、プラスミンという酵素によって分解されますが、フィブリン分解産物(FDP)を測定することで、『血栓のできやすさ』を調べることができます。フィブリン分解産物(FDP)が多くなり過ぎている場合には、身体各部の毛細血管で小さな血栓が多数できる『播種性血管内凝固症候群』のリスクが高くなってきます。


血液凝固因子に関連する医学的検査(健康診断項目)には、出血時間・血小板数・プロトロンビン時間・活性化部分トロンボプラスチン時間・フィブリノゲン・フィブリン分解産物などの検査があります。



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